建設業許可の申請において「令3条使用人の一覧表」は、営業所を有する事業者が提出を求められることの多い重要な書類です。この記事では、「令3条使用人とは何か?」という基本から、一覧表の正しい記載方法、注意点、変更手続きまでを網羅的に解説します。専門用語をかみ砕いて丁寧に説明していますので、初めて申請される方でも安心してご活用いただけます。
令3条使用人とは何か?
建設業法施行令第3条に定める使用人、いわゆる「令3条使用人」とは、建設業者が設置する営業所において、建設工事の契約締結など実質的な営業活動を担う使用人をいいます。簡単に言えば、各営業所の責任者(例:支店長・営業所長など)です。
この「令3条使用人」の存在は、建設業許可の有効性に直接影響します。営業所ごとに必ず配置する必要があり、変更があった際には速やかに届け出なければなりません。
一覧表の提出が必要なケース
「令3条使用人の一覧表」が必要となるのは、以下のような場合です。
一覧表提出が必要な主な場面
営業所を有する建設業者で、以下のような申請・届出を行う際には一覧表の提出が求められます:
- 新規許可申請(営業所を伴う場合)
- 営業所の追加に伴う変更届
- 営業所の責任者(令3条使用人)の変更時
※更新申請や業種追加申請では、営業所の変更がない場合は提出不要なこともあります。提出の要否は、各都道府県の窓口で確認してください。
一覧表は、あくまで営業所単位での提出が求められるもので、すべての申請に必須というわけではありません。誤解しやすいので注意しましょう。
一覧表の記載内容と書き方
一覧表の記載内容は、各自治体で若干の様式差はあるものの、基本的には以下の項目が共通して求められます。
書き方の基本項目と注意点
書類作成時には、下記の項目を正確に記入してください:
- 氏名・フリガナ:戸籍上の漢字で記載し、略字を避けます。
- 生年月日:西暦で記入(和暦は禁止の場合が多い)。
- 住所:住民票の内容と一致させ、マンション名・部屋番号も省略せずに記載。
- 役職名:営業所長や支店長など、実際の業務上の役職を正確に。
- 職務内容:その使用人が担っている業務の概要(例:「契約交渉・締結に関する事務全般」など)。
これらの記載項目は、営業所の実態と法令要件との整合性確認のため、極めて重要です。誤記・記載漏れがあると、許可の遅延や補正指示の対象になります。
添付書類と整合性の確認
令3条使用人の一覧表には、次のような添付書類が求められる場合があります。
H3:主な添付書類一覧
安心して申請を進めるために、次の書類の準備を心がけましょう:
- 住民票(マイナンバー記載なし):本人確認と現住所の裏付けに使用
- 辞令や委任状:営業所長等としての権限を有することを示す文書
- 登記簿謄本(写し):役職名との整合性を確認
※技術者の資格証明書や実務経験証明書などは、この一覧表とは別の書類(主任技術者・監理技術者の証明)に関連するものであり、本表への添付は原則不要です。
添付書類の要否や書式は都道府県によって異なるため、提出先に事前確認することを強くおすすめします。
提出前のチェックポイント
提出直前に以下の項目を最終確認することで、記載ミスによる差戻しを防ぐことができます。
確認リスト
思わぬ見落としを防ぐためにも、下記チェックリストを活用しましょう:
- □ 氏名・生年月日・住所は住民票と一致しているか?
- □ 役職名は登記上の内容と矛盾していないか?
- □ 職務内容が具体的かつ簡潔に記載されているか?
- □ 書類に押印・日付が正確に記入されているか?
- □ 添付書類の種類・内容が漏れなく揃っているか?
以上を丁寧にチェックすれば、申請のスムーズな進行が期待できます。
変更が生じた場合の対応
令3条使用人の氏名・住所・役職等に変更が生じた場合は、変更後30日以内に変更届を提出する義務があります。
変更手続きの概要
変更届には、以下の情報が求められます:
- 変更前後の使用人情報(旧→新)
- 変更の事実を確認できる資料(例:住民票、辞令、登記簿など)
変更を怠ると、建設業法違反と判断されることがありますので、速やかな対応が求められます。
困ったときは専門家に相談を
令3条使用人の一覧表は、見た目以上に専門的知識を必要とする書類です。特に初めて申請する方や、複数の営業所を運営している事業者にとっては、書類作成の負担も大きくなります。
そのような場合は、建設業許可に精通した行政書士に相談することで、以下のようなメリットが得られます:
- 最新の法令・運用に基づいたアドバイス
- 書類不備による差戻しの防止
- 添付書類の選定・取得支援
- スムーズな申請サポート
まとめ:正確な一覧表でスムーズな許可取得を
令3条使用人の一覧表は、営業所の実態を証明し、建設業許可の審査を円滑に進めるための重要書類です。提出が必要な場面を正しく理解し、正確かつ丁寧に作成することで、許可取得の成功率は大きく高まります。
万が一、不安や疑問がある場合は、無理せず専門家に相談することが、結果的に最も効率的な方法です。
この記事が、皆さまの建設業許可申請の一助となれば幸いです。