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令3条使用人に変更があった場合の対応:手続きと注意点を徹底解説

建設業許可を維持するためには、法令で定められた各種の届出を適切に行う必要があります。その中でも、「令3条使用人」の変更は、特に重要な手続きのひとつです。本記事では、令3条使用人の定義や変更が必要となる具体的なケース、届出方法、注意点までを、わかりやすく解説します。

目次

令3条使用人とは?建設業法における役割と意味

令3条使用人とは、建設業法施行令第3条に基づき、営業所において請負契約の締結などを行う「権限を委任された常勤の使用人」を指します。会社の役職名に関わらず、「契約締結権限を有しているかどうか」が重要です。

建設業許可では、営業所ごとに令3条使用人の設置が必要とされており、この人物が実際に工事契約の締結や履行管理を担うことで、営業所の責任体制が明確になります。そのため、令3条使用人が退職や異動により不在となった場合、速やかに後任を選任し、所定の届出を行う必要があります。


変更届が必要な具体的ケース

令3条使用人の変更届が必要となる代表的なケースは、以下の通りです。

  • 令3条使用人が退職・死亡した場合
  • 別の営業所へ異動(転勤)した場合
  • 権限委任が取り消された、あるいは要件を満たさなくなった場合
  • 新たに営業所を設置し、使用人を選任した場合
  • 一時的な職務停止や長期不在が見込まれる場合

上記のいずれかに該当する場合、遅滞なく変更届を提出しなければなりません。


提出期限はいつ?:原則は「14日以内」

令3条使用人の変更があった場合、各都道府県の建設業許可担当窓口へ、原則として変更日から14日以内に届出を行う必要があります。ただし、具体的な期限や運用は都道府県ごとに異なる場合があるため、「○日以内」といった期限が条例等で明記されているか、必ず自治体の指導に従ってください。


届出を怠った場合のリスクとは?

変更届を提出しない、または虚偽の届出を行った場合、建設業法第28条等に基づき、以下のような行政処分の対象となる可能性があります。

  • 指示処分(改善命令など)
  • 許可の更新時に不利益を被る
  • 最悪の場合は、営業停止や許可取消処分
  • 公共工事の入札資格に影響が出る可能性
  • 金融機関や取引先からの信用低下

許可を維持し、健全な経営を継続するためにも、必ず変更内容を正確に届け出ましょう。


必要な提出書類と準備のポイント

変更届の提出には、以下のような書類が必要です(都道府県により異なる場合あり)。

基本的な提出書類

  • 建設業許可変更届出書(各都道府県の様式)
  • 変更理由を説明する書類(例:退職証明書、辞令等)
  • 新任の令3条使用人に関する書類(住民票、履歴書、資格証明書など)

書類準備の注意点

  • 様式は都道府県のウェブサイトから最新版を入手する
  • 添付書類は有効期限内のものを用意
  • 原本または原本証明付きの写しを提出する(必要に応じて)

提出前に、記入漏れや誤記、必要書類の欠如がないかを入念に確認しましょう。


提出先と提出方法

変更届の提出先は、建設業許可を取得している都道府県の担当窓口です。例:

  • 東京都:都市整備局建設業課
  • 大阪府:建築振興課建設業担当

提出方法は以下の通りです。

  • 窓口持参(予約が必要な場合あり)
  • 郵送(追跡可能な書留などを推奨)
  • 一部自治体ではオンライン申請も可能(事前登録・電子署名が必要)

事前に必ず、担当窓口のウェブサイトや電話で確認してください。


記入の際の注意点

変更届は、以下のようなポイントに注意して記入しましょう。

  • 楷書で丁寧に記入する(ボールペン使用)
  • 修正液・テープの使用は禁止(訂正印で対応)
  • 空欄は斜線で埋める
  • 日付、氏名、押印等の記載漏れがないか確認

また、各都道府県の公式サイトでは、記入例が公開されていることが多いので参考にしましょう。ただし、記入例は「一例」であり、実際の状況に応じた修正が必要です。


令3条使用人の要件と注意点

令3条使用人は、次のような条件を満たしている必要があります。

  • 営業所に常勤していること(勤務実態があること)
  • その営業所で請負契約等の契約行為を行う権限があること
  • 代表者や役員である必要はない(一般の従業員でも可)

資格や経験要件は定められていませんが、実務に対応できる人物であることが求められます。


他の許可要件との関連にも注意

令3条使用人が、経営業務の管理責任者や専任技術者を兼ねている場合は、変更が生じた際にこれらの要件も同時に満たさなくなるおそれがあります。特に注意すべきは以下の2点です。

  • 経営業務の管理責任者が退職した場合
  • 専任技術者が変更となった場合

このようなケースでは、別途、該当要件の変更届や立証資料の提出が必要になるため、包括的にチェックする体制を整えましょう。


許可維持のためのコンプライアンス体制

建設業許可は「取得して終わり」ではなく、日々の法令遵守が問われます。令3条使用人の変更に限らず、以下の点も定期的に確認しましょう。

  • 経営業務の管理責任者・専任技術者・令3条使用人が適正に配置されているか
  • 契約や安全管理が適切に実施されているか
  • 下請業者との関係が法令に則っているか
  • 労働者の労働環境が適切に整備されているか

定期的に社内チェックリストを活用し、問題点があれば速やかに対応することが重要です。


まとめ:変更があったら迅速かつ確実に届出を

令3条使用人の変更は、建設業法に基づく届出義務がある重要な手続きです。変更があった場合は、原則として14日以内に届出を行い、必要な書類を整えて適切に提出しましょう。

また、使用人の変更に伴い、他の許可要件に影響がないかも併せて確認することが大切です。

手続きに不安がある場合や、複数の要件が絡む場合は、建設業許可に詳しい行政書士など専門家への相談も検討しましょう。

許可を確実に維持し、安心して事業を継続していくために、日頃からの体制整備と法令遵守を徹底しましょう。

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