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建設業許可申請における「所属建設業者団体」の記載ガイド

建設業許可申請の際、任意提出書類の一つである「所属建設業者団体に関する様式(様式第二十号の二)」について、正確かつ実務的に理解しやすい形でまとめました。本記事では、制度の位置づけから記載方法、記載上の注意点まで、実務担当者が迷わず活用できるマニュアルを目指しています。

目次

所属建設業者団体に関する様式とは?

任意提出の参考様式である点に注意

建設業許可申請において、所属する建設業者団体を記載する「様式第二十号の二」は、国や都道府県によって配布される任意提出の参考様式です。この書類は、申請者がどの業界団体に所属しているかを補足的に示すためのもので、提出は義務ではありません。

所属団体の記載が審査に与える影響

所属団体の記載有無が、建設業許可そのものの可否に影響することはありません。団体に加入していない場合でも、正直に「未加入」と記載すれば、審査上の不利益はありません。

様式第二十号の二の入手と記載方法

様式の入手先

  • 各都道府県の建設業許可申請窓口(対面・郵送対応あり)
  • 都道府県の公式ホームページ(PDFダウンロード対応)

※国土交通省本省のウェブサイトからはダウンロードできないケースが多いため、都道府県単位で確認してください。

様式記載時の基本ルール

書式は都道府県により若干異なることがありますが、共通して以下のような情報を記載します:

  • 【申請者情報】法人名または個人名、所在地、許可番号など
  • 【所属団体名】正式名称を略さず記載(団体に確認が望ましい)
  • 【団体代表者】理事長・会長などの役職名および氏名
  • 【未加入の場合】「所属なし」や「未加入」と明記する

※手書きの場合は黒のボールペンを使用し、訂正は二重線+訂正印を使用すること。

所属団体記載のメリットと注意点

団体加入のメリット

書類上の必須項目ではないとはいえ、建設業団体への加入には以下のような実務上のメリットがあります:

  • 業界の法改正や助成制度などの最新情報の提供
  • 研修会・講習会によるスキルアップ機会の提供
  • 会員間のネットワークによる情報交換・取引機会の創出
  • 一部団体では提携金融機関による資金調達支援あり

情報を効率的に収集し、経営判断を行う上で、所属団体の存在は中小企業にとって有益な支援基盤となることがあります。

会費・活動参加の負担も要確認

加入には原則として年会費が発生し、団体によっては会議や行事への参加が求められる場合もあります。

  • 会費は数万円〜数十万円程度で団体ごとに異なる
  • 活動内容や頻度も事前確認が必要

加入前には、自社の経営状況とニーズに照らして判断することが重要です。

未加入の場合の正しい記載と対応策

「未加入」は不利にはならない

団体未加入であっても、申請自体に支障はありません。該当欄に「所属なし」または「未加入」と明記することで問題なく申請が受理されます。

代替的な情報収集の工夫

団体未加入でも、次のような方法で法令や業界情報をキャッチアップできます:

  • 国土交通省や都道府県の建設業関連情報ページの定期チェック
  • 専門業界誌や建設新聞などの定期購読
  • 民間や公的機関が主催する研修・セミナーへの参加

所属団体の有無にかかわらず、自社の責任で常に最新の知識と情報を得る姿勢が求められます。

申請書類作成におけるチェックポイント

記載ミス・漏れの防止

提出前には、以下の点を必ず確認しましょう:

  • 氏名・法人名・団体名の正式名称を使用しているか
  • 漢字・数字・住所表記などの記載ミスがないか
  • 記載漏れ(団体代表者名など)がないか

見本や記載例を活用しながら、第三者チェックもおすすめします。

添付書類の有無と扱い

所属団体の加入証明書や会員証は、求められることは少ないですが、念のため添付しておくと確認がスムーズです。提出書類の原本・写しの区別や原本還付の有無は、都道府県の運用により異なるため、事前確認をしましょう。

相談窓口・専門家の活用

  • 【相談窓口】各都道府県の建設業許可担当課
  • 【専門家】行政書士(建設業許可に精通している者)

書類作成が不安な場合は、初期相談を積極的に活用してください。専門家のサポートを受けることで、申請ミスの防止と時間短縮につながります。

まとめ|正確な記載で申請をスムーズに

「様式第二十号の二」は任意提出の補足様式ですが、正確かつ丁寧に記載することで、行政への信頼性の高い情報提供につながります。団体に加入している場合は、正式名称・代表者名などを漏れなく記載し、未加入の場合はその旨を正直に記載するだけで問題ありません。

迷った場合や判断に困ったときは、行政窓口または専門家に相談するのが賢明です。本マニュアルを活用し、建設業許可申請のスムーズな進行にお役立てください。

監修者プロフィール

西條 朋美(にしじょう ともみ)
行政書士
長野県行政書士会所属
MACKコンサルタンツグループ 小林行政書士事務所

制度を正しく理解し、事業者の皆さまが安心して事業を継続できるように——。そのお手伝いをするのが行政書士の役目です。建なびでは、読者に寄り添った解説を心がけています。ぜひご活用ください。

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