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初めてでも安心!建設業許可申請の「営業所一覧表」やさしく解説

営業所一覧表とは?

建設業許可申請では、営業所の情報をまとめた「営業所一覧表」を提出します。
これは、会社や事業所の拠点を行政に正しく伝えるための大切な書類です。

目次

営業所ってどんな場所?

建設業法でいう「営業所」は、単なる事務所ではありません。
次のような特徴を持つ場所が営業所にあたります。

  • 本店や支店など、工事の契約や見積を継続的に行う場所
  • 他の営業所の工事契約を指導・監督する拠点(連絡所だけの施設は除く)
  • 専任技術者が常勤している(営業所間の兼務はできません)
  • 実際に業務を行える机・電話などの設備がある

逆に、現場ごとの臨時事務所や、ただの連絡用事務所は営業所には含まれません。

営業所一覧表と専任技術者一覧表の違い

  • 営業所一覧表(別紙二) → 営業所の名称、住所、電話番号、担当する工事の種類などを記載
  • 専任技術者一覧表(別紙四) → 営業所ごとの専任技術者の氏名、資格などを記載

間違えて専任技術者の情報を営業所一覧表に書かないよう注意しましょう。

様式と提出のタイミング

営業所一覧表には、申請内容によって使う様式が異なります。

  • 別紙二(1) … 新規許可、業種追加、般・特新規のとき
  • 別紙二(2) … 更新申請のとき(原則提出が必要。省略できるかは自治体による)

注意:変更は更新時まで待てない

営業所の新設・廃止・住所変更などは、変更後30日以内(項目によっては14日以内)に「変更届」を提出します。更新申請まで放置はできません。

営業所一覧表の書き方(新規の場合)

  1. 営業所名 … 例:株式会社〇〇 東京支店
  2. 所在地 … 普段使っている住所(住居表示)でOK。案内図や写真が必要な場合あり
  3. 電話番号 … 連絡が取れる代表番号(FAXやメールは任意で追加)
  4. 担当する建設業の種類 … 例:建築工事業、土木工事業など
  5. 許可区分 … 一般または特定

更新申請の場合(別紙二(2))

  • 前回からの変更点(名称変更・住所変更など)を記入
  • 廃止した営業所は「廃止年月日」を書く
  • 新しく追加した営業所は、新規と同じ書き方で詳細を記載
  • “変更なし”の扱いは自治体によって違うので事前確認

作成時の3つのポイント

  1. 最新様式を使う
    古い様式は受理されないことがあります。必ず自治体サイトから最新版を入手。
  2. 正しい情報を書く
    虚偽や誤記は許可取り消しの原因にも。登記簿や許可証などで確認。
  3. 困ったら専門家に相談
    建設業許可に詳しい行政書士なら、書き方や添付書類もアドバイスしてくれます。

まとめ

営業所一覧表は、建設業許可申請の中でも基礎となる重要な書類です。まずは営業所の定義を正しく理解し、専任技術者一覧表との違いを押さえることが、正確な作成の第一歩となります。

さらに、常に最新の様式を使い、所在地や連絡先、営業する工事の種類などを間違いなく記載することが欠かせません。更新申請の場合も、前回からの変更点を正確に反映し、廃止や追加があればその内容を明確に示すことが求められます。

こうした基本を押さえたうえで申請すれば、手続きは滞りなく進み、許可の取得や更新がスムーズになります。建設業許可は事業の信用力を高め、新たな取引や案件の獲得にもつながる大きな力です。正しい営業所一覧表を作成し、確実にその第一歩を踏み出しましょう。

監修者プロフィール

西條 朋美(にしじょう ともみ)
行政書士
長野県行政書士会所属
MACKコンサルタンツグループ 小林行政書士事務所

制度を正しく理解し、事業者の皆さまが安心して事業を継続できるように——。そのお手伝いをするのが行政書士の役目です。建なびでは、読者に寄り添った解説を心がけています。ぜひご活用ください。

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